食欲不振 4 / 健康診断 |
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みんなでお出かけだゾ ♪
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その後、ゴブはそこそこ順調であった。日によって、フンが小さめのときもあったが、量はきちんと出ていたので、このままの状態を維持してくれればと願った。
牧草をより多く食べてもらおうと、ペレットは朝20g、夜15g(以前は朝晩各30g)に減らした。さらに、効果の程は不明だが、消化酵素入りのサプリメントを与えるといいという説もあるので、ダメもとでパパイヤタブレットを1日1錠ずつ与えてみた。
そして、6月26日、突如としてゴブはものすごい勢いで牧草を食べ始めた。追加してもすぐ、牧草入れは空になってしまう。
どうしたんだろう?
とにかく、喜ばしい事には違いない。
トイレは特大ウンチでいっぱいになった。“やあ、これでもう大丈夫”…と思った。
しかし、翌日になって事態は一変した。足りなくなってはいけないと、朝、牧草をこれでもかとぎゅうぎゅう牧草入れに押し込んで出かけたのであるが、夜、帰宅すると、あんまり減ってない。フンはそこそこしてあるものの、いつもより少ない。うーん、これは…。
“ひょっとして、昨日の反動かしらん”とも思ったが、夜から翌朝にかけて食べたのはまたしても野菜のみ。朝、トイレにはフンは殆どなかった。食フンをしているのがせめてもの救い。
そして、その日はエキゾチック専門の獣医さんによる、ウサギたち3匹の健康診断の日。
こうもタイミングが良すぎるのもちょっと…。
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2007年6月28日(木)
いよいよ、健康診断。
アシスタントとして、この病院の男女各1名の獣医さんがついている。
「初めはゴブちゃんから」というので、ゴブを診察台に乗せる。
「その後、食べるようになりましたか?」と聞かれて、現在の状況をお話しした。
その日、昼過ぎに帰宅すると、ちょっとは良くなったようで、少なめに与えたペレットは完食、牧草も少しではあるが食べていた。
「じゃあ、今日はいつもどおり、もう食べちゃってるんですよね。」と聞かれて、
「量としては、いつもの半分くらいですけど…」と答える。
先生は丁寧に触診と聴診でお腹の状態を診てくださる。口の中も軽くチェック。
ゴブはやはり、お腹がちょっと張っている状態だという事だ。
「ラキサトーンは飲ませてますか?」
「毎日ではないですが、1日おきとか2日おきくらいで飲ませてます。」
「毛が詰まっている場合は、ラキサトーンをあげると、するするっと出てきますから、続けて与えるようにしてください。」
「飲み薬は継続してますか?」
「いえ、もうやってないです。10日間くらい飲ませて、良くなったのでやめてしまいました。あれ、良くなったからってすぐにやめたらまずかったですか?」
「そんな事はないですが…私も“良くなったらやめてください”と言うようにしています。でも、良くなりかけて、また詰まっちゃったのかもしれませんね。」
「これは、突発的に来ます。お薬飲んで良くなって、普段どおり食べられるようになっても、また急に詰まってしまうという事です。」
「あまり繰り返すようなら、12時間絶食させた後にエックス線(レントゲン)検査をするか、もし絶食が可哀想だと思うならバリウムを飲ませてエックス線検査をする事を勧めます。バリウムも可哀想ですけど…」という。
今日、全く食べていない状態なら、エックス線検査をしたいところだが、食べてしまっていては食べたものも詰まっているものも同じようにしか写らないので、意味がないという。
今はそんなにひどい状態ではないので、とりあえずはいつもと同じ注射(点滴)をして様子を見てはどうかという。それで、状態が良くならないようなら、こちらの病院と相談して、いずれかの検査をしてはどうかという事だ。
この子たちの出自からして、絶食やバリウムが可哀想という感情はないので、どちらの方法がより良いのかとお聞きしたが、“どちらが”というのはないようだ。
で、ちょっと興味本位の質問。
「あの、バリウム飲んだら、後、どうやって出すんですか?」
自分が検診でバリウムを飲んだときの事を思うと、人間でさえ、あんなつらい思いをするのに、ウサギだったら…さぞ大変な事になるのではないかと。自分もお腹が弱いので、バリウムを飲むのはいいが、後が大変なのである。下剤を飲まなくても急降下、トイレとお友達になるか、もしくは、いくら下剤を飲んでも反応がなくて2、3日重たいお腹をかかえて苦しむかどっちかなのである。
それを、お腹の弱っているウサギにやっちゃったら、どうなるんだろう?
6月4日(月曜日)に診てくださった先生が、「これで良くならなければ、バリウム検査とかしなくてはならないかもしれません。」とおっしゃっていたのであるが、それを職場で話していて、
「ウサちゃんがバリウム飲むと、どーなっちゃうんだろうねー」
「下剤飲ませるのかな?」(まさか)
「白いウンコ出てくるのかな?」
(白いコロコロウンチを想像・・・ちょっとかわいい♪、・・・が、下痢便だったら最低)
先生の答えは、
「バリウムといっても、薄いので出したりする必要はありません。そのままです。人間のとは違いますから。」という事だ。
ちょっと、安心。
しかし、バリウムによる検査は朝から1日がかりになるので、それもウサギにとっては負担になるのだそうだ。エックス線も経時的に何度か撮らなければならないという。
“じゃあ、12時間絶食の方がいいのかな?”とも思ったが、どうなんだろう、ウサギに12時間絶食させるってのは!?
“ちょっと、長くはないか?”と何となく思ったのではあるが、つい、聞きそびれた。やっぱり、もっと突っ込んで聞いてみるべきだったなぁと、後で後悔。
まあ、いつもその方法でやっていて問題はないのだろうから、気にする必要はないのかもしれない。
「また、食べなくなってしまったら、しばらく注射を続け、回復してきたら飲み薬にすれば良いです。」という事だ。そして、
「しばらくというのは、2〜3日という事です。」と言いながら、カルテにも“2〜3日”と書き込んでいる。
何事も説明の仕方だなと思う。予め治療の段取りを説明してもらえれば、安心できるのだ。
「良くならなかったら、また来てください」と言われて、良くならないから行くと(良くなっていても!?)、毎度の決まり事のように点滴されるんじゃ、本当に必要なのかと疑心暗鬼にもなろうというもの。
「じゃあ、もし良かったら、あっちでゴブちゃんは注射してもらって、次の子に行きましょうか。」と言うので、
「それじゃあ、お願いします。」という事になって、ゴブは、それはそれは丁寧にタオルに包まれて(まるで新生児のよう)2人の獣医さんに奥の部屋へと連れて行かれた。
「じゃあね!」と、明るく見送ってやる。
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「どちらから行きますか?」と聞かれて
「では、レンからお願いします」(先住優先!?)と、レンをキャリーから出す。
以前使っていたキャリーは天井が開かないタイプの物で、レンもゴブも出すのに苦労したので、これを機に天井から出し入れできるタイプのキャリー(アトラス10)を新調した。これは大正解で、小ぶりながら2.5kg級のウサギを2匹入れても余裕がある(耐過重的には限界)。手持ちのアルミスノコがぴったり入ったのも良かった。
「何か気になっていることはありますか?」と聞かれたので、
「この子はちょっと線が細いので、ストレスがあると食べなくなっちゃったりという事はあります。」と答える。
先生は、非常に手早く一つ一つのチェックを行っていく。一通り終わったところで、
「肉付きはどうでしょうか? 太っているとか痩せているとかはないですか?」と、一応確認した。
体重は、レンもイチもお迎えしたときから0.4kgほど増加しているが、体格からすれば、ひょっとしてレンは太り気味では? と、ちょっと心配していた。去勢すると太りやすくなるというし。
幸い、「大丈夫ですよ」という事だ。
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次はイチ。
イチを診察台に上げるや、
「あれぇ、イチちゃんの方が大きいんですねぇ。」と言われる。
ブリーダーさんから入手した体重曲線(平均値)も、オスよりメスの方が大きいから、“ウサギは女の子の方がでかいんだねー”と思っていたのであるが、世間一般のウサギさんは違うのか!?
「うーん、ちょっと太り気味かな。肥満ってほどじゃないですけど。」
確かにイチは“肝っ玉母ちゃん”とでも言ってやりたいくらい、たっぷりとしているし、体格もいい。しかし、先の体重曲線では、24週齢(約6ヵ月)でオス2.0kg、メス2.4kgである。2歳で2.5kg強なら、まあ、こんなものかと思っていたのだが…。考えてみれば、標準が肥満という可能性だってある訳だ。
気にするほどではないようだから、とりあえずは良かったが、チェリーのときは本当に大変だったから、もうダイエットも別居(レンとイチは実にほほえましい仲良しウサギだ)もこりごりだ。
そして、これ以上太らせないためにはどうすればよいか相談しようとしたそのとき…
向こうの方でちょっとどよめいているので目をやると、獣医さんたちが注射を終えたゴブを鳥かごに戻そうとしてくださっていたのだが、何を思ったか男性獣医さん、鳥かごの扉を開けてゴブの尻を押している。横で女性獣医さんが“入んない、入んない”と必死でゼスチャーしている。
失礼ながら、思わず「キャハハハハ…」と大うけして(笑うなという方が無理)、それ以上聞けなくなってしまった。
だって、もう何回もゴブを出し入れするところを見ているはずなのに、そりゃないでしょう!?
“本当に大丈夫なのか、この病院”と本気で思ってしまう…。
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「君、もう少し痩せた方がいいよ」
「余計なお世話だわ!」
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最後に「本当にみんな、おとなしいですねぇ。」
としみじみ言われる。
我が家の暴れウサギNo.1は、何といってもゴブである。そのゴブがおとなしいと毎度言われているのだ。それからいくと、イチなんて、もうお人形みたいなものだ。
実験中は“ダッチは気が荒いからイヤだ”と研究員たちから言われていたものだが…?
(血を見た人も数名) |
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3匹診ていただいて、所要時間は20分ほど。あまりにもあっさりと終わってしまって、何だか物足りない気がした。
“あ、そういえば食餌指導がなかったな”と思う。すぐにお腹が詰まっちゃう子と、やや太り気味の子、食餌指導があってもよさそうなものだが…。
よそから来られた先生だと、やっぱりちょっと中途半端かもしれないと思う。一度でも専門の先生に診ていただけた事は大きいが、その後の治療はもとの病院で受ける訳で、その辺の連携が難しいのだろうと思う。
この先生、鳥もOKなようなので、“サブレでも一度診ていただいてみようか”とも考えたが、何かあったらその後が厄介になりそうなので思いとどまった。サブレだって、チェリー同様、メガバクテリア予備軍である事に変わりはない。鳥の先生は「オカメインコは、殆ど聞きません。大丈夫でしょう」とおっしゃっていたけれど、この子は他人の糞をカミカミして遊ぶという悪癖がある。
“セカンドオピニオンがほしいときには、どうだろう?”(これ以上病気になられても困るが)とも思った。でも、主治医の先生と違う事をいわれた時に、結局は自分の悩みが深くなるだけという気もするのだ。まあ、心の片隅に置いておく…というくらいであろうか。
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ところで、ウサギの扱い方であるが、この病院の先生方は皆、壊れ物でも触るかのように非常に慎重に、丁寧に扱ってくださるのである。これだけは、本当にどの先生でも徹底している。(有難い事だ)
それなのに、飼い主があまりぞんざいに扱うのも気が引けて、こちらも丁寧に診察台からの上げ下ろしはやっていた。
しかし、普段、私は“首から背中の辺りの皮をつかんで、反対の手で素早く腰を支える”という持ち方をしている。
今回、エキゾチックの先生に診ていただくときに何となく“大丈夫かな”(何が?)という気がしたので、そのやり方で診察台にあげてみた。“やっぱ、何も言われないなー”と思っていたら、先生も同じように持っておられた。体重測定のとき、レンはおとなしくぶら下げられていた(もちろん一瞬)。
色々な動物病院を回っていると、獣医さんがどんな風に動物を扱うのかも、ちょっとした楽しみなのである。
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